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水の惑星といわれる地球。確かに地球表面の7割は海ですが、実は球体の地球全体で考えると、地球上の水の量は本当に少ないのをご存じですか? それはこの大粒の涙1粒ぐらい。しかも飲める水の量はさらにその25分の1とわずか。もし、地球が全力で泣こう思っても涙は涸れ果ててしまっているようです。

Earth
水と地球

illustration: EMI OZAKI
使える水は、地球上の水のわずか1.2%?いえ、0.01%しかないという衝撃
2021/04/12(2023/07/30 up date)

地球の水の量はどのぐらいか──アメリカ地質調査所(US Geological Survey)が数年前に発表した「地球の水」についての画像がかなり衝撃的で話題になりました。

地球は表面の約71%は水で覆われていますが、その水を1カ所に集めて表すと、直径1,385kmの球体にしかならないというのです。氷河や地下水など私たちが利用できない淡水の球体は直径272.8km、湖や川の淡水の球体は直径56.2km と、直径12,742km の地球と比べるとまるで小さな点のような、ちょうど上のイラストの一番下の涙のようなサイズになります。

地球の7割は水で覆われているといっても、それは地球全体からしたらごくごく表面のお話。地球にある水の約96.5%は海。つまり、地球上の水はそのほとんどが塩分を含んだ海水で、川や地下水などから得られる私たちが飲んだり、入浴したり、生活で使える水はこの地球上の水のたったの1.2%にすぎないというのです。水がいかに貴重な資源であるか、この画像とともに驚きをもって伝えられました。

でも、もっと厳密に言えば、海水以外の淡水は約2.5%で、そのほとんどに当たる1.7%が南極や北極などの氷河。約0.8%に当たる地下水の多くは地中深くを流れているため、私たちが生活で利用できるのは川や湖沼など地中の浅いところに存在する水だけで、地球上の水の約0.01%しかないという日本の調査データもあります。

もちろん、水は、「太陽により海から蒸発した水が雨となって地表に降り注ぐ」という具合に絶えず循環しているので、枯渇することはないとされています。けれども、ユネスコ(国連教育科学文化機関)は2030 年までに世界人口の47%が水不足になると指摘。経済協力開発機構(OECD)では、2050 年には世界人口の40%以上が深刻な水不足に陥ると予測しています。

原因は、2050 年には90 億人以上になると試算されている世界的な人口増加や、地球温暖化による気温変動、さらには過剰なくみ上げによる資源の枯渇、汚染水など多岐にわたると考えられています。

現在(2019 年時点)でも東南アジアやアフリカなどを中心に、安全に管理された飲み水を利用できない人が22 億人もいる現状を考えると、水道の蛇口をひねれば安全な水が出てくる環境は恵まれていますよね。全ての人に「安全な水とトイレを」──は、SDGs(Sustainable DevelopmentGoals /持続可能な開発目標)が2030 年までに達成したい目標の1つです。

水は貴重な資源。一層深刻になると考えられている地球の水不足を解消するために、海水を真水に変える「海水淡水化」の開発も世界中で行われています。たとえば、こんな鯨型ロボットなら、海水から真水を作り出して世界各地に運ぶことができそうです。
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