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第6回AIR Café(アイルカフェ)は、水の姿から「肌の保湿の真実」と「超微細な水粒子の正体」に迫りました
AIR Magazine(アイルマガジン)主催の第6回のAIR Café(アイルカフェ)が、2024年10月 10日(木)に開催されました。今回は、会場に京都大学大学院農学研究科助教・白神慧一郎先生と株式会社三井化学分析センター・関根素馨先生をお迎えして約1時間半にわたり、トークとディスカッションが繰り広げられました。
「皮膚。そこにある水の姿」と題した今回は、ミクロの世界で捉えた水の姿から「肌の保湿の真実」と「超微細な水粒子の正体」に迫るという刺激的な内容。肌や物質の中の、これまで捉えられなかった水の姿を示した解析結果や、超微細な水粒子の非常に特殊な姿がお二人から語られました。
京都大学大学院農学研究科助教・白神慧一郎(しらが・けいいちろう)先生はこれまで使われてこなかったテラヘルツ波という電磁波を用いた計測・解析技術を確立し、皮膚の角層の水の状態や量を捉えることに成功。乾燥肌と健常肌では、角層内の水和水(結合水)の量は同じで自由水の量が異なるという解析結果を報告。また、肌の水分保持には天然保湿因子(NMF)が重要な役割を果たすとこれまで考えられていましたが、白神先生の研究では天然保湿因子よりもケラチンが主要な役割を果たしている可能性が示唆されました。これまでの皮膚科学の見解とは異なる結果はとても衝撃的でした。
株式会社三井化学分析センターの関根素馨(せきね・そけい)先生は、固体NMRという装置を用いて物質中の水の状態を解析し、物質表面に吸着した水は、温度を下げていくと最終的にガラス状態になることを解明。また、シリカゲルのような限られた空間内の水は、空間のサイズによって凍結する温度が異なることが示されました。ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)が放出される前の膜内の水は、特殊な環境下で生成された状態にあり、低湿度でも生成・拡散することが明らかになり、非常に特殊な水粒子であることがわかってきました。
その後のディスカッションタイムでは、二人の先生の刺激的なお話に質問が相次ぎました。皮膚の角層の水和水(結合水)の状態はどのようになっている? ナノサイズ微細水粒子AIR(アイル)が膜の中でなぜこのような姿をするのか? その姿から考えると皮膚へどのように入りとどまる可能性があるのか? 皮膚の保湿にNMFは関係していないのか? 保湿はケラチンと自由水がカギを握るのか?──名古屋工業大学の黒田孝二博士からの質問を皮切りに研究者の方々や臨床の先生方からも質問や意見が飛び交い、水の正体にまた一歩近づいた回となりました。
1時間半にわたり盛り上がった第6回のAIR Café。この模様については、のちほどこのWEBマガジン内にアップする予定です。「AIR Magazine」情報やAIR Café開催情報のお知らせをご希望の方はこちらから「ご希望」を明記の上、メールを送信してください。