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お知らせ
「ナノサイズ超微細水粒子」最新の浸透メカニズム研究とアトピー性皮膚炎への研究結果が、日本皮膚科学会総会2024で発表されました。
2024年、6月6~9日に行われた第123回日本皮膚科学会総会(国立京都国際会館)で、株式会社アイシン共催のモーニングセミナーが6月8日に開催されました。
「ナノサイズ微細水粒子が皮膚に作用するメカニズムを知る」と題して行われた今回のセミナーでは、アイシンが開発した「ナノサイズ超微細水粒子・AIR(アイル)」が皮膚へ吸着するメカニズムや、皮膚でセラミド脂質を産生する可能性、さらにアトピー性皮膚炎の治療の効果について発表されました。 座長は、東京都済生会中央病院の海老原 全院長、昭和大横浜市北部病院の渡辺秀晃教授が務めました。
東京大学物性研究所の原田慈久教授は、「ナノサイズ超微細水粒子が皮膚に取り込まれる姿を可視化」するために、放射光軟X線分光という装置を用いた研究成果を発表。人工皮膚膜を使った実験で、皮膚に吸着したナノサイズ微細水粒子が、通常の水では入れない皮膚内部に入り電荷を持つことで水の通り道を埋めることを解明し、それが高い保湿効果につながる可能性を報告しました。
城西大学薬学部の藤堂浩明准教授は、「水の皮膚浸透性および皮膚の脂質産生能に及ぼすナノサイズ微細水粒子噴霧の影響」と題し、水は最も安全な皮膚吸収促進剤であるというお話から、実験によって、通常の水に比べてナノサイズ微細水粒子の方が薬剤の浸透量が高まったという研究結果、さらには、ナノサイズ微細水粒子が皮膚の角層で脂質であるセラミド産生を促すという驚くべき可能性について発表されました。
最後は、野村皮膚科医院の野村有子院長による「アトピー性皮膚炎への症状改善効果」について。これまでの臨床研究で、ナノサイズ微細水粒子と最も相性のいいアトピー性皮膚炎用の薬剤を用いた場合とナノサイズ微細水粒子だけの場合について二重盲検法で検証。ナノサイズ微細水粒子のみ、薬との併用、ともに初回から皮膚症状の改善が見られ、また、患者の肌の脂質量によって最適な方法が異なる可能性についても示唆されました。
徐々に解明が進むナノサイズ微細水粒子。今後さらなるメカニズムや皮膚や髪の毛への作用の解明、また、さまざまな分野での応用にも期待が高まります。