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お知らせ
「超微細水粒子」の皮膚への浸透メカニズム研究成果とアトピー性皮膚炎への効果が日本皮膚科学会総会2023で発表されました。
2023年、6月1~4日に行われた第122回日本皮膚科学会総会(パシフィコ横浜)で、株式会社アイシン共催のランチョンセミナーが6月3日に開催されました。昨年に引き続き、アイシンが開発した「ナノサイズ超微細水粒子・AIR(アイル)」の水の姿と皮膚への浸透メカニズムの研究成果と、さらに皮膚治療への応用研究の結果が発表されました。 座長は、藤田医科大学ばんたね病院総合アレルギー科の矢上晶子教授、東京都済生会中央病院の海老原全院長が務めました。
東京大学物性研究所の原田慈久教授は、「ナノサイズ超微細水粒子が皮膚に取り込まれる姿を可視化するため」に、軟X線発光分光という装置を用いた研究成果を発表。人工皮膚膜を使った実験で、皮膚に吸着した超微細水粒子が皮膚から蒸発しにいという結果を報告。また、超微細水粒子が皮膚に吸着する際には、不凍水、中間水という異なる性質の水がほぼ同時に吸着している可能性を報告しました。
九州大学先導物質科学研究所の田中賢教授の発表は、「皮膚の構成成分にある水の役割~中間水の存在と、ナノサイズ微細水の可能性~」について。ECMO(エクモ)など体の中に挿入する医療機器の材料を研究・開発する過程で、生体内に、不凍水、中間水、自由水という性質の異なる3種類の水が存在していることを解明している田中教授。肌に有用なナイアシンアミドと超微細水粒子についての実験では、超微細水粒子があることでナイアシンアミドの重量が増える結果となり、超微細水粒子がこのような成分に対して独自の水和のメカニズムを持つ可能性が示唆されました。今後、超微細水粒子が有用成分とともに皮膚の中でどのような動きや働きをするのかについて研究を進めるといいます。
最後は、野村皮膚科医院の野村有子院長による、「アトピー性皮膚炎の患者に対する超微細水粒子の治療結果」について。親水クリームとプロペトの保湿剤を週に1度全顔に塗布して、超微細水粒子を半顔だけ浴びてもらい左右差を見たところ、特に親水クリーム群では超微細水粒子の有無で、肌の油分、紅斑・丘疹・浸潤で有意な左右差が見られ、さらに患者の体感においても有意な改善が見られ、同時に皮膚への安全性の高さも証明されました。
「超微細水粒子」について、今後さらなるメカニズムの解明とともに皮膚への作用、そして多様な美容成分との相互作用についての研究報告が待たれます。